FAQ
天疱瘡で死亡することあるか?
ステロイド治療が始まって以後に、天疱瘡による症状で致死的になることはほとんど無い。
ステロイド投与の副作用は?
副作用の種類は人により異なる。高用量のステロイド投与期間が長いと副作用が出やすくなるのでなるべく早く天疱瘡の症状をコントロールできることを目指し、最終的に10 mg以下で症状がない寛解状態を保てるようにする。
将来的にステロイドをやめられるか?
ステロイドを中止したことにより再発率が高まるか否かの臨床研究は、医師も患者も中止した患者さんとしていない患者さんを知らされない二重盲検試験をすることは難しい。
天谷先生の経験では、抗体価が陰性になった患者さんでも、ステロイドを中止した後に再発をした症例が複数存在した。
再発を防ぐ方法?
生活の上で無理をすると再発することがある。ステロイドにより食欲が増進することがあるが、食べ過ぎないようにする。
再発したときには?
ステロイドを倍量程度に増量する。他の療法を組み合わせることがある。
食べ物の注意点は?
バランスの良いものを食べる方が良いのは健常者と同じ。
硬いものは避けたほうが良い。
健康食品は成分や効果がきちんと示されていないものが多いので頼らない。
温泉の効果は?
温泉自身で治ることはないがリラックスという意味で良いかもしれない。
紫外線(太陽光線)は?
適度に当たるのはよい。光線療法はない。
歯科治療や手術を受けてもいいか?
歯科医とよく相談して、天疱瘡であることを知ってもらった上で判断する。
天疱瘡は稀有な病気?
国認定の特定疾患なので全国で集計しており4,000人位、類天疱瘡はその4, 5倍くらいいると推察されている。慶應病院では、150人以上の天疱瘡の患者さんが通院している。
天疱瘡は完全治癒するか?
治癒の定義が難しいので、完治というより寛解という言葉を使用している。
どういう人が天疱瘡になりやすいか?
答えはまだ判らない。遺伝子を完全に読み解けるようになれば判るかもれない。
天疱瘡でガンになりやすいのでは?
そのときにガン治療ができるか?
天疱瘡にかかったことで、でガンになりやすくなるということはない。天疱瘡の稀な病型で、腫瘍随伴性天疱瘡というのがある。
抗体数値がどのくらいになったら安全か?
人によって違う。その人で数値がよくなったか、症状がどう変わったかを判断する。
なお、最近までは昆虫細胞で作成した組換え抗原を使用して測定していたが、今後はほ乳類細胞で作成した組換えデスモグレインを使用して測定するようになる。